No.25 【 Tung Wing U BO-6 FL Proto '95 】

 

 

バール・メイプル・トップ/アルダー・ボディー
   3メイプル+2パープルハート・ラミネート・ネック(34inch)
   エボニー指板(フレット・ライン付き24フレット相当)
   デュアル・トラス・ロッド
   ボルト・オン(6点止め)
   バルトリーニ・ソープバー・ハムバッキング・ピックアップ×2
   Tung オリジナル・サーキット
   マスター・ボリューム/ピックアップ・バランサー
   トレブル/ミドル/ベース
   5ピン・キャノン・アウト(モノラル出力/
Alembicパワーサプライ電源供給)
   標準ジャック・モノラル出力(18V電池式)



'96年購入。
初めて買ったTung Bass。
Tungの存在は、プログレッシヴ・メタルバンドのDream Theaterのジョン・マイアングが使っているのを見て知った。
なんて奇妙な形!!
だけれど気になる形だと思った。
チック・コリアのElektric Bandのジョン・パティトゥッチが、Ken Smithの6弦ベースでバリバリ弾いているのを見て、元々6弦ベースに興味はあったし、3フィンガーでの超早弾きや高速タッピングで知られるマイアングのTung Bassも気になっていた。
そしてPlayer誌で、御茶ノ水の楽器店に入荷した事を知り早速見に行った。

写真で見るよりもっと尖った、凄いデザインには驚いてしまった。
6弦と5弦、そして6弦フレットレス、合わせて5本も入荷していた。
すぐに試奏を始めた。
35inchスケールのフレッテッドの6弦と5弦には、ネックも長くて厚く、多少の違和感を感じた。
この当時私はまだ、34inchスケール以上のベースを持っていなかったからだ。
しかし、34inchの6弦フレットレスのProto Typeはネックがびっくりする程薄く、実に素晴らしくフィットした。(かなり後で知った事だが、proto typeはタング本人用にネックが薄いのだ=Instruments No.21に紹介した物も同じであり、その文中の【本人用の最後の一本】というJazz Bass typeもとても薄いネックだった=彼は手が小さいのかもしれない)

そのデザインから受ける印象とは違い、持った時のバランスがとても良く、しかも弾き易い。
実はFender Jazz Bassのボディーを削っていけば、このTung Wing Bassになるのである。
だから基本的にJazz Bassなのである。

6弦は初めてだったが、すんなり弾けた。
ボディーの鳴りが凄い。
音の立ち上がりも伸びも、切れも抜群だ。
リア・ピックアップは、あのJacoの'62 Fender Jazz Bassの音をほんの少しブライトにして、それでいて叙情感を表現し易い様な音だ。
フレットレスではあるが、ピックアップをセンターにしてスラップをしても、切れの良い演奏が出来る。

失礼な言い方だが、Tung Bassを何本か弾いてみて、ジョン・マイアングが出している音より遥かに良い音が出る事がわかった。(^^;)ゞ
奇抜なデザインばかりに気を取られるが、本当は基本のしっかりした、とてもマトモな良い音が出るベースなのだ。

'96年当時フレットレスは、'71 Fender Jazz Bassのフレットを自分で抜いた物しか持っていなかった。
この際それを元のフレッテッドに戻して、このTung Wing Bassをフレットレスのメインにしようと決意して、購入することにした。
初めての長期ローンでの購入だった。

それから暫くバンドではどんな曲も、このベース一本で弾いていた。

私が主役の2時間ドラマ『まじめ警部補とかたやぶり刑事3』で、石野真子ちゃん演じる犯人に恋をしてしまった立花刑事(梅雀)が、彼女に曲をプレゼントするというシーンがあった。
監督がロケ中に思い付いて、やる事が決まったシーンだ。(ドラマロケではしばしばこういう事がある。役者はそれに応えられなければいけない。)
急遽ロケ中に私が作曲した″Memories″という曲を、真子ちゃんの前でこのベースで演 奏した。(同時録音生演奏)
シークエンサーでカラオケを作って、それに乗ってベースでテーマとソロを弾いた。
とても良い曲が出来た。
今でも私のライヴで演奏する曲である。(最近はフレッテッドの6弦で演奏している)

このベースはその後、Tung Wing U BO-6 Proto '95(Instruments No.21掲載)が手に入ってからは、メインベースの座をそれに譲る事になった。

Tungのフレットレスベースのブリッジはエボニーを削って作った木製で、しかも固定式。
オクターブ調整も、弦間ピッチ調整も出来ない。
それでも不思議とチューニングはピタリと合う。
但し、ブリッジの溝が細く、それを削らない限り、テーパー弦しか使えない。
本当は普通の弦で使いたいが、オリジナルを崩すのがもったいないので、私は普通の弦を剥いて、一々手作りテーパー弦を作って使っている。

あまりに良い音で立ち上がりも素晴らしいので、いっそのことフレッテッドに改造してブリッジも交換しようか、と思うことが度々ある。
しかしもう二度と手に入らないTung Bassなので、踏み止まっている。

最近はFodera Emperor 5st.Bolt-On FL'05 (Instruments No.5掲載)に、フレットレスとしての活躍の場を奪われている。
しかしHi-Cが出せるフレットレスはこれ一本。

どうやらオリジナル状態のまま、我家に居る事が出来そうである。
二度と手に入らない素晴らしいベースであるから、大切にして行きたい。


※写真は準備出来次第、順次載せます。

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