No.28 【 Rickenbacker 4001 Chris Squire LTD '97 】


メイプル・ソリッド・ボディー
   オフホワイト仕上げ
   メイプル・ネック
   パーフェロー指板
   スルーネック
   ヴィンテイジ・タイプ・ピックアップ
   モノ・アウトプット




'97年購入。

私が初めてリッケンバッカー・ベースを知ったのは、The Bee Gees のモーリス・ギブの写真であった。
中学1年生('66年)の頃だった。
形が実にカッコイイと思った。
私はThe Bee Gees が大好きだった。
モーリスの、ポップ感覚に溢れた自由な発想のフレージングが好きだ。(ミスも多いが …)
リッケンバッカーを使った高音でのメロディックなプレイ、そして地を這う様な重低音が好きだ。
とてもリッケンバッカーが欲しかった。
しかし中学生の私には、Fender Jazz Bassよりも高い値段では、当然買うことは出来なかった。
ポール・マッカートニーも使っていることをすぐ後で知った。
ポールは全く違った音を出していた。(その頃にはポールは既にリア・ピックアップを交換して音色を変えていた)

そして'72年。
YESの『危機』『YES SONGS』で、クリス・スクワイアーの「ガリガリゴリゴリシャリシャリ」したリッケン・サウンドにノックアウトされた。
'73年のYES来日公演でクリスのプレイに狂喜し、もう「リッケンバッカーが無ければ駄目だ」と思う程に気持ちは盛り上がっていた。

その翌年、GRECOがコピーモデルを出した。
但し、まだおおまかな形が似ているだけで、ピックアップがギブソン・タイプのハムバッカーだったりして、音などは程遠い代物だった。
しかし形が似ていればそれでも構わないと思って、GRECO RB-1000 を買った。
高校の文化祭でYESをやった時に使ったが、音は当然似ても似つかないものだった。

結局そのベースは気に入らず、友達に譲ってしまった。

YESもメンバーチェンジを繰り返し、音楽が詰まらなくなっていき、私の興味も薄れてしまった。

それから何年もたった'90年代。
The Beatles の一時的再結成や新曲発表、アンソロジー・ビデオや古い音源の発表で、再びリッケンバッカーが注目され、日本でも新製品をよく見掛ける様になった。

私は本物のヴィンテイジが欲しかった。
しかし'63年'64年頃のヴィンテイジ物となると、大層なお値段だったし、私ももうとっくの昔にBeatles やYESをコピーなど卒業し、オリジナルのフュージョンをやっていたので、結局買おうとは思わなかった。

'97年。
突然リッケンバッカーが 4001 Chris Squire Limited を限定生産した。
クリスの'64年製をコピーし、彼との協力開発で使い易くした物だった。
当時吉祥寺にあった『タハラサウンド』で発見した。
カッコイイ♪
輝いて見えた♪♪
すぐに試奏した。
太くてハッキリした出音。
音程感もしっかりしている。
しかしピックアップや配線がオリジナルと違うため、クリスの音は出ない。
それでもこの形の魅力にはやられてしまう。
リッケンバッカーにしては、低域から高域までバランスも良い。
プロ・ベーシストの間でも「使い易いし安定している」と評判が良かった。
実際、ヴィンテイジの'64年物では使える音楽が限られてしまう。(それが魅力だが)
このクリス・スクワイアー・リミテッドは、スラップをしても音が様になるのである。
これならばフュージョンでも使えると思って買った。

このベースは、レギュラーの4001シリーズよりフレットが太めの物になっており、材も少し違うらしく、中音域に張りがあり、音がバンドサウンドに埋もれない。
しかし肝心のシャリシャリした音が出ない。
モコモコとした丸ッコイ音でBeatlesを楽しむには良いが、クリスのモデルなのだからクリスの音が出て欲しいものである。
しかしどうしたって出ない。
そこにどうしても不満が残る。

最近出たCシリーズの4001C64の初期ロットの中には、見事にクリスの音が出る物があった。
『山野楽器サウンドクルー吉祥寺』に一本入ったそれは、それこそYES 以外の曲には使えない様な代物だった。
家で思いっきりYESごっこをするには良いが、バンドでは到底使いそうにないと思い、買わなかった。
しかし後になって後悔した。
中途半端な物を持っているより、クリスの音しか出ない物を持っている方が、楽しかったのではないか…
ひょっとしたらユニークな音楽が生まれるのではないか…

それから何度もC64を見つけては試奏したが、初期ロットのシャリシャリカリカリの音は出なかった。

このクリス・スクワイアー・リミテッドには限定生産品の価値がある。
クリスの音は出ないが、一本のベースとしてはしっかりとした作りだし、見た目も魅力的である。
華があるのだ。
だからなかなか手放す気にならない。
『一家に一台リッケンバッカー』なのだ。


※写真は準備出来次第、順次載せます。

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