Guitar No.6 【 Paul Reed Smith 24 10Top Custom '97 】

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10topフレーム・メイプル・トップ/マホガニ・バック
ブラック仕上げ
25inchスケール・マホガニ・ネック/ローズウッド指板
PRSトレモロ/PRS 14:1 Phase U low mass locking チューナー
HFS treble & Vintage bass ピックアップ
1ボリューム、1トーン、5-wayロータリー・ピックアップ・セレクター





'97年購入。

それまでは、私の所有するE.ギターは Les Paul Custom(Guitar No.4に掲載)だけだった。
そしてそれまでの基本的に好きな音は、GIbson系のハムバッキング・ピックアップの音だ。
しかし「そろそろ Les Paul 以外のギターが欲しい」と思い始めていた。
そして『24フレット仕様でトレモロ付きのギター』に興味が湧き始めていた。

'95年頃だっただろうか。
吉祥寺に【タハラサウンド】がオープンした。(現在は無い)
ギターの在庫数が物凄かった。
ベースもアンプも、キーボードやドラム、民族楽器、教則ビデオや楽譜から音楽関係の洋書まで、取り揃えの品数の豊富さは驚くべきものだった。
私は嬉しくなってよく通い、色々と買ったものだ。

中でも気になっていたのが Paul Reed Smith のギターだ。
見た目の派手さが先ず目を引く。
しかも24フレットでトレモロ付き。
特にブラック仕上げで、木目が凄みを発散しているこのギターに惹かれた。

弾いてみると、見た目のインパクトとは違い、とてもオーソドックスな感触で弾き易い。
ネックも素直に手に馴染む。
ハッキリとした出音のハムバッカーが気持ち良い。
1弦の24フレットまでストレス無く、バランスがとても良い。
初めて扱うトレモロも、それ程難しいとは感じなかった。
ピックアップ・セレクターでシングルコイルのミックスにすると、ストラトの様にクリスピーな音でカッティングを決められる。
「我が家の Les Paul より良い音だし、軽くて弾き易いし、守備範囲が広い」
これは買いだと思った。

ついでにアンプも買う事にした。
我が家にはその頃 HI-WATT CUSTOM 100 のスタック('74年に新品で購入=ベース/キーボード/ギター兼用)しかなかった。
音圧もガタイもあまりに大きくて重く、取り回しが大変だった。
このHI-WATTは何処までもクリアで、ナチュラル・ディストーションが出せないアンプだ。それにリバーブも付いていない。
出来ればあまり大きくなく、気持ち良いディストーションが出せるアンプが欲しかった。
【タハラサウンド】には、MESA/BOOGIE、Marshall、HI-WATT、Fender、VOX、ORANGE、THD、LANEY等々、大きなスタックタイプから小型まで、お馴染みのアンプが広いフロアの壁一面に並んでいた。
片っ端からPaul Reed Smith を繋ぎ、弾き比べて行った。
意外な事に、張り・艶・バランスが良く一番しっくり来て、素直に良い音だと思えたのは、Marshall JTM30 という、10inchスピーカー2発で出力30Wの小さなチューブ・コンボアンプだった。
ノーマルとディストーションの2チャンネルをフットスイッチで切り替えられる。
ズラリ並んだ所謂名機たちを差し置いて、段違いの良い音だった。
たぶん個体として稀な程に出来が良かったのであろう。
嬉しいことに値段もお手頃。
納得の買い物だった。

喜んで家に持ち帰り、弾き捲った。
気持ち良かった♪
自分が上手くなった様な気がする程弾き易かった。
「Les Paul と弾き比べてやろう」
と、奥から引っ張り出して来た。
Les Paul を弾いた瞬間
「???…」
だった。
Las Paul の方が遥かに存在感のある良い音だった。

原因はフロント・ピックアップの位置だった。
Les Paul のは、弦の丁度半分の位置、24フレットに当たる位置にフロント・ピックアップがある。
Paul Reed Smith は指板が24フレットまであるために、そのスウィート・スポットを外している訳だ。
感覚的好みの問題ではあるが、どうやらGibson系の音に慣れて来た私にとっては、そこらへんが『グッと来るかどうか』のポイントであった様だ。

しかし弾き比べなければ充分に良い音なのである。

難点は、ポジションマーク無しのロータリー式ピックアップセレクターが使い難い事。
現在どの位置にあるか、幾つ動かせば望みのポジションになるか、が分かり難い。
動きも重く、瞬時の切り替えにはまったく向いていない。
サンタナ・モデルの様に普通のトグル・スイッチにした方が良いと思う。

何はともあれ、弾き心地の良い優れたギターである。
愛用しているギターリストが多いわけである。

24フレットでトレモロ付き。
私のコレクションの中での存在価値がそこにある。


※写真は準備出来次第、順次載せます。

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