No.10 【 Fender Jazz Bass '77 NT/M 】


アッシュ・ボディー
   ナチュラル仕上げ
   三点止め、ネック角調整式ボルトオン・メイプル・ネック
   メイプル指板
   バインディング
   ホワイト・ブロック・ポジションマーク



'77年購入。
'71年製Jazz Bassのフレットを抜いてフレットレスにしてしまったので、フレット付きが欲しくなって買った。
私にとって二本目にあたるFender Jazz Bass.
同じ仕上げでは詰らないのでナチュラルにし、当時の黒いセルバインディングと黒いブロックポジションマークは嫌いだったので、白いのを作ってもらう様に注文した。
なんとこの年から黒のセルバインディングも黒いブロックポジションマークも廃止された。
だから特別な仕様ではなくなった。

やっと届いたこのベースを弾いてみると、指板のエッジがキツく手に馴染まないし、リアピックアップの位置がブリッジ寄りで音も軽いし、ピックアップ周りのザグリも雑で 、ボディーが重く、ボッテリして見える。
ネックの角度もしっくりこない。
乾いた音が気に入らなかった。
弾いていてとても疲れる。

それでも買った当初は無理して、学園祭やアルバイトのライヴなどにも使っていたが、 次第にケースに入ったままになる様になった。

数年後、マーカス・ミラーという18歳の黒人青年がデイヴ・グルーシンのバンドで来日し、同じ年に作られた同じタイプのJazz Bassでご機嫌な音を出していた。
ほ〜♪と感心し注目するようになった。
それがなんとあんな偉大な音楽家になろうとは…
'90年代になると、世の中のベーシストがニューヨークを中心に、皆マーカスの音を真似する様になった。
私も結構好きな音であった。

私のこのベースは、マーカスの物と同じ年に作られ、シリアルナンバーも近い。
中域に張りがあり、高域にはあのビンと響く艶があり、非常に良く似た音が出る。

使わないままより使える様にしてみようと、マーカス本人の改造と同じ様に、'97年にネックのエッジを削り、ネックの厚みも可能な限り薄くしてもらった。
ブリッジは、真似をしたくなかったのでバダスUではなく、シャーラーに交換した。
プリアンプは内蔵しなくても、マーカスばりの素晴らしい音が出る様になっていた。
一時期Sadowskyのアウトボード・プリアンプを使ってみた事もある。
が、あまりにマーカスの音になったのですぐに止めた。
マーカスの音が好きで出してみようと工夫するのに、マーカスの音が出ると止めてしまう…
変な繰り返しである。
憧れと、自分のオリジナリティーの間で揺れるのであろうか…

今やかなり弾き易くなり、音も熟れている。
良いベースに成長したと思う。
ライヴやレコーディングではなかなか使わないが、苦心して改良して馴染んだ大切な一本である。


※写真は準備出来次第、順次載せます。

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